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イマジン/ジョン・レノンのadeamのレビュー・感想・評価

イマジン/ジョン・レノン(1988年製作の映画)
3.5
偉大なミュージシャンであり、前衛的なアーティストであり、平和活動家であり、専業主夫の先駆けでもあったジョン・レノン。
インタビュー音声を使ってナレーターを亡きジョンとし、ハンブルク時代からビートルマニアの狂騒、物議を醸したキリスト発言にマハリシへの傾倒、そしてヨーコとの出会いにメンバー間の不和とジョンのアーティストとしての歴史を振り返りながらソロでの最大のヒット作であり代名詞ともなった名曲「イマジン」を含むアルバムの制作過程を見せてくれる内容です。
さらには解散後の批判との戦いや失われた週末、ショーンの誕生と衝撃的な死までをカバーしてくれるので、ビートルズ時代を含めたジョン・レノン全史を簡単に知るのにも最適なドキュメンタリーです。
ジョンの内面に迫っていくというよりは、外面的な部分の総ざらいなので、ドキュメントとしては薄味ではありますが、シンプルかつ実直な作りで見やすかったです。
率直すぎるがゆえに周りとの衝突を繰り返し、メディアとも有識者とも、挙句にはヨーコとのケンカすらカメラの前で披露するジョンですが、家の周りをうろついていた盲信的なファンに対して俺の歌詞に意味なんかないから自分と重ねるなと突き放しながら、家に上げて食事を振る舞う姿も見せてくれます。
これは単純な優しさというよりは、自身の影響力に対する責任感からくるもので、殺害された時のシチュエーションを知った上で観ると少しゾッとするものでもありました。
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