お茶

怪談のお茶のレビュー・感想・評価

怪談(1965年製作の映画)
4.4
これぞ、日本の怪談。

「黒髪」「雪女」「耳なし芳一」「茶碗の中」の四部作。

「黒髪」
貧乏が嫌で妻を捨てて家柄の良い女性と再婚した男が、やっぱり優しい前妻がいいと京へ帰ってくる話。
身勝手な男を、朽ちた家で待ち続ける前妻。昔と変わらず、長く美しい黒髪の姿で…。
ラストにかけて三國連太郎がすごかった。

どれも良いけど、「耳なし芳一」が1番好きだった!
冒頭の、絵巻を交えながらの源平合戦の迫力と雰囲気に息を呑む。
合戦中の声が一切無く、哀愁漂う琵琶の音色が響く。
戦に敗れて、海に身を投げる生き残った一門。無念な想いがとても伝わる…。

芳一が平家の落人に囲まれてた中で、琵琶を奏でるシーンも圧巻。
耳に般若心経を描き忘れるのを分かっていても、どうしても「耳!耳!」と言いたくなってしまう…
田中邦衛が終始良いキャラ。

出演者、セット、衣装が豪華!
構想に10年もかけた、納得の芸術作品。収益は少なくても、後世に残る作品だと思う。
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