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ユリシーズの瞳のchanmasuのレビュー・感想・評価

ユリシーズの瞳(1995年製作の映画)
3.7
初テオアンゲロプス。ハーヴェーカルテルこんなん出てるんだ。何の前触れもなく廃墟に全裸で佇む。絵面が絵画。白っぽい色調だから余計。冒頭からあっ、ヤバいってなる。モノクロの映像で始まり、一人の男が海の船にカメラを向けている。突然ぽっくり死ぬと主人公が出てきてある兄弟のフィルムを探してるという。ここで滑らかにカラーになり時制が現代に。死んだ男は画面に残る。主人公があたかもその場に居合わせたかのような描写はその後も出てくる。面白い事するなぁと思った。全体通じて退廃した雰囲気で戦争の影がある。舞台がユーゴらしい。終盤目当ての人と出会いなんだかご機嫌な音楽も流れる。不幸の前ぶりの様。案の定、その後身の回りの人々が殺され、ボロボロになった映画感でハーヴェーカルテルが呟きながらfin.戦争は全部無くすし、映画は無力なラストに呆然。なんか彼と交わる女性がことごとく若く美人で女性はそういうの求められすぎだなと思う。映画=眼差しというフレーズが頻繁に。映画のポスターがこっち観てたり、最後の主人公もどこかを観ている。眼差しのイメージが多かったかもしれない。
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