覚えてないぐらい久々の再鑑賞。
フィッカラルドだと思ってきたけど“ッ”いらなかったのか。
映画史上、最も狂気な監督俳優コンビ、ヘルツォークとクラウス・キンスキーの金字塔的本作は『アギーレ/神の怒り』と同じく狂気のアマゾン・ロケで撮られた南米のドド田舎にオペラハウス建設を夢見る男が資金獲得のためアマゾン奥地のゴムが取れる密林をアギーレ並みに無茶をして突き進み開拓する過程を描くアマゾン・パノラマ巨編。
今では考えられない長期ロケで撮られたアマゾンの密林、河川の豊潤さと峻厳さは感動的。本物の自然のみが放つ圧倒的なオーラが素晴らしい。船で移動してるしクルージングしている気分になる。でも、ヘルツォークはテレンス・マリックではないからそんな自然に敬意を抱くこともなく開発シーンで木々をバッサバッサ切り倒し地形がマジで変わるんじゃないの?てぐらいの火薬量でダイナマイトを地盤を崩す笑
これはこれでリアルだから迫力がある。あと、やっぱコイツ(ヘルツォーク)マッドマンだと実感した、改めて笑
かの有名な船を山に登らせるシーン、こんな無茶をリアルで敢行する男が正気のはずがないんで本当に映画監督でよかったよね、なんか違う職についてたら絶対お縄になってるよ笑
キンスキーは本作では珍しく嫌なヤツに見えない。どころかなんかドリーマーないい人に見えてしまう。実際、夢に向かって己の全てをかけて奮闘するからそうなんだけど、でも、これって南米を食いものした白人が欲望の実現に向けて現地を蹂躙するわけで植民地主義的な暴虐傲慢な『アギーレ/神の怒り』と同じストーリーなんだよ。にも関わらず油断すると感情移入してしまいそうになるのは演出と演技の巧みさなのかなぁ。
何にせよ、明らかにマッドコンビのマッド映画なのにリリカルでスペクタクルな感動巨編になってるという奇跡の映画だ。実際アマゾンを使ってこれだけのモノを撮れる人はいないもんな。強いて言うのなら水曜スペシャル川口浩探検隊シリーズぐらいかな。アマゾンで数々の傑作をものにしてる意味ではテレビと映画の違いこそあれ一緒だからな。てか、ヘルツォークが水スペ撮ったら物凄い傑作ができたと思う。猿人バーゴンなんか猿人だしバーゴンなんて少年の心を刺激する響きだったからすげぇ期待して見てたら、最後の最後にやっと出てきた猿人バーゴン、貧相なおじさんで、それが酒で脳をやれた人みたいなキモい奇声を発してるだけでガッカリしたもんだよ。キンスキーがバーゴン演ってたらそれはヤバい猿人になったはずよ😏