「緑の光線を見ることができたら、自分と他人の心が読めるようになる」
パリで働くデルフィーヌが夏のバカンスを独りで虚しく過ごさないために周りの人達を巻き込みながらあちらこちら旅するお話なのだけど、デルフィーヌがまさに面倒の塊みたいな性格なのだ。
霊媒師に緑が今年の自分の色になると言われたデルフィーヌ。あるリゾート地で陽が沈む最後の瞬間に稀に現れる「緑の光線」を見ることができたら、自分と他人の心が読めるようになると言う話を立ち聞きする。
何もかもうまくいかずパリに帰る列車に乗る駅である男性と出会い、彼と行動を共にするのだがその先で彼女が目にしたものは…。
なんといってもラストシーンが素敵。繰り返し観てしまう!
自分だったらとっくに友達やめてるレベルのデルフィーヌの態度や発言に、ふと自分と重なる部分があるような気がしちゃって、つくづくロメールって観てるこちら側がこんなにも居た堪れなくなるような女性を描くのがなんて上手いんだろう、とぞわっとしたり恥ずかしくなったり。でもスウェーデン人の女性や駅で出会った男性に心のうちを吐露しているデルフィーヌにしっかり愛着も湧いてきたりするから人って不思議。
ジュール・ヴェルヌの小説『緑の光線』をぜひ読んでみたいと思いました。
(追記:少し前に天体写真家の方がまさにグリーンフラッシュをSNSにあげていて。いつか見てみたいなと思いました)