genarowlands

ロスト・イン・ラ・マンチャのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

3.6
「テリーギリアムのドン・キホーテ」を前情報なく観て、ギリアムの苦節20年の作品だということをレビューで知りました。こちらの最初のメイキングを観てから本編を見ると、当初の企画とどう変わったのか、スペインロケがどんなにたいへんなことだったのかがわかります。

まず、当初の主役ドン・キホーテ役のジャン・ロシュフォールは馬術に長けているのですが、英語を7ヶ月特訓して来たのに、椎間板ヘルニアで長期出場不可になったのが決定打だったのようです。

ロケ地がNATOの基地の近くで航空機の騒音が凄い。一時間おきに爆音にさらされる。
砂漠なのに大雨が突然降り嵐に。洪水となる。

天気は天災だけれど、ある程度予想はつかなかったのか。地理的問題もクリアできていなかった。俳優が予定通りに入れない等々、マネジメント担当はどうしたのかな。

トビー役のジョニー・デップを観てみたかったけれど、結果的に大柄なアダム・ドライバーが振り回されるのは、画がダイナミックになってよかった気がします。

何よりドン・キホーテ役が渋いロシュフォールはホント合っていたけれど、ジョナサン・プライスの本気なのかトボケているのかわからないところが適役でした。結果オーライではないでしょうか。

頓挫した(2000年)ためにメイキングを映画化(2002年)するなんてと、ちらりと思いましたが、この後20年近く再三のトラブルを越えて本編(2018年)が出来上がっています。
genarowlands

genarowlands