三四郎

処女オリヴィアの三四郎のレビュー・感想・評価

処女オリヴィア(1950年製作の映画)
1.0
なんなんだこの映画は…。
少女趣味を詰め込んだ映画か?いや、少女趣味と言うよりも、繊細さが全くなく下品なくらい表現がストレートで喋りすぎるし積極的過ぎる。

当時のキネマ旬報を手にとった時に読んだのか、他の古い映画本で読んだのか覚えていないが、『制服の処女』と『処女オリヴィア』を比べ、「戦前と戦後の"人間"の違いか、『処女オリヴィア』は『制服の処女』ほど人々の話題にならなかった」というようなことが書かれていた。そのようなことを数年前あるいは数か月前?に読んで以来、『処女オリヴィア』とは一体どんな映画なのかと気になっていたが、あまりに違い過ぎる。戦前と戦後ではなくドイツとフランスの違いかもしれない。
物語と表現があまりに単純すぎて”人間”を描いていない。故に、興醒めしながら観ていた。

しかし、双葉十三郎の『ぼくの採点表Ⅰ』を読むと、彼はこの映画を絶賛している笑
そして、『制服の処女』の女性監督と『処女オリヴィア』の女性監督の名前を引き合いに出し、「ジャクリーヌ・オードリーという名前のやさしい響き、レオンチーヌ・ザガンという名前のぎすぎすした感じ、その差異がそのまま一つの映画の差異である」とまで書いている笑 なんと失礼な!笑
彼は、エドウィジュ・フィエール扮するマドモアゼル・ジュリー先生故に恍惚となったそうだが、私は、ドロテア・ヴィーク扮するフロイライン・フォン・ベルンブルク先生故に恍惚となった。

『ぼくの採点表』シリーズを読んでいると、しばしば彼の評価と私の評価は食い違うが、フランス贔屓の彼とドイツ贔屓の私、姉御好きの彼と令嬢好きの私の違いかもしれない笑
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