揺籠ふぃるす

犯罪王リコの揺籠ふぃるすのネタバレレビュー・内容・結末

犯罪王リコ(1930年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

『民衆の敵』に続いて鑑賞。今作とさらに『暗黒街の顔役』がクラシック・ギャング映画の三傑と誉れ高いそうです。(前レビューを訂正いたしました)

原作はウィリアム・R・バーネットの著した小説『Little Caeser』。モデルは実在のマフィアのボス、リトル・シーザーと呼ばれたサルヴァトーレ・マランツァーノ。1931年1月今作公開の8ヶ月後、9月に組織によって粛正された。

田舎で強盗を働くチンピラのシーザー(カエサル)・エンリコ “リコ” バンデッロは相棒のジョー・マサラと共に、裏稼業で一旗揚げようとシカゴに乗り込みサム・ヴェットーリのファミリーに迎えられ、狂犬のような血の気の多さで頭角を現していく。

一方、相棒ジョーは当初よりダンサーとして身を立てようと、クラブで働きパートナーのオルガと出逢い、ヤクザ稼業から足を洗おうと思い悩んでいた。

そして、リコの放った1発の銃弾が2人の運命を大きく変えていく事となる―――。


犯した罪を悔い教会の階段を昇るトニーに向かって、リコたちのドライヴ・バイ・シューティング! 画的にも素晴らしい。

トニーの葬式の会話、リコの一際大きな花輪、リコの昇進祝いの席での会話など、仁義が熱く語られる皮肉…。

直属の上司であるサムを蹴落としボスにのし上がってからが、断然面白い。鉄砲玉差し向けられたり。

目に涙を溜めジョーを撃てない所や新聞にブチ切れ、警部に直接クレーム入れちゃう所も愛嬌があって良い。酒が一切飲めない所も親近感わく。

ラストのジョーのミュージカル看板がライト・アップされ煌びやかなのに対し、その裏の暗がりでマシンガンと死の舞踏を踊るリコ。秀逸!
歴史に名を残すのも、納得。

ドキュメンタリー映画『バッドアス・シネマ』の中で、ラリー・コーエン監督がインタビューに応え、『民衆の敵』と『犯罪王リコ 原題 : Little Caeser』の2本をブラックスプロイテーションに落とし込んだのが『ブラック・シーザー 原題 : Black Caeser』と仰っていたので、今回先にこちらの2本を観てから臨みました。
2つのジャンルの相性は抜群に良かったです。観るものに悩んでいる方にはオススメ致します。


【個人用Memo】
米wiki『サルヴァトーレ・マランツァーノ Salvatore Maranzano』の項Google翻訳抜粋。

『サルヴァトーレ・マランツァーノ(イタリア語: [salvaˈtoːre maranˈtsaːno] ; 1886年7月31日 - 1931年9月10日)は、リトル・シーザーという愛称で呼ばれていた[ 1 ]。シチリア島カステラマーレ・デル・ゴルフォ出身のイタリア系アメリカ人のギャングであり、後にニューヨーク市でボナンノ犯罪一家となる組織を率いたコーザ・ノストラの初期のボスだった。彼は1930年にアメリカのマフィアの支配権を握るためにカステラマレーゼ戦争を扇動し、1931年4月にライバル派閥の長ジョー・マッセリアを殺害した後に戦争に勝利した。その後、一時的にマフィアのカポ・ディ・トゥッティ・カピ(「すべてのボスのボス」)になり、ニューヨーク市で五大ファミリーを結成したが、1931年9月10日に、ファミリーが将来の縄張り争いを防ぐために権力を共有する委員会を設立したチャールズ・「ラッキー」・ルチアーノの命令で殺害された。』
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