ちろる

魔法にかけられてのちろるのレビュー・感想・評価

魔法にかけられて(2007年製作の映画)
4.0
ディズニーアニメの実写版みたいなものってどっちかに転びそうで警戒していましたが、予告編と特番みて映画館に行きました☆

やっぱり女子なのでお姫様ものは好きでディズニーのプリンセスストーリーはすべて把握しているから、ところどころに入ってくる色んなストーリーの要素を見つける度にワクワク。
でもやっぱりこの映画見所は。絶対的なファンタジーであるDISNEYのアニメーション→現代のNY という恐ろしいくらいの両極端の世界にスリップしてしまったという、設定のおもしろさ。

小鳥とお話しちゃったり、友達が動物だけだったり、出会ってすぐキスして次の日結婚しちゃったり。。ってDISNEYアニメのファンタジーさを、実はちょっとバカにしていた人たちも見る価値を見出せるポイントなのでは?と思います。まさにファンタジーな世界を皮肉ったDISNEYに頭が下がりました。

だってあんなパニエの入ったドレスを着て、どこかしこでも歌をうたっちゃうお姫様がNYにいる姿はもちろん周囲から浮きまくりで、滑稽なのにみんな彼女のとりこになる。
面白いはずなのに彼女を応援している。

この物語はそれだけじゃなくて、主人公ジゼルみたいにファンタジーの世界のような恋が舞い降りてくるのを、ただひたすら夢見てる現代の女の子たちにもいろんなメッセージを与えてくれる。

「王子様はいつの日かふいに現れてさらってくれるはず。」だなんてありえない。
時間を共に紡いでいく中に芽生える恋が愛に変わるんだよって、当たり前のことなんだけどどこかで夢見ている女の子たちにばっさりメスを入れてくれている。

魔法にかけられた夢から覚めたときにこそ真実の愛を見つけることができる。

ストーリーにはふんだんに多くのDISNEYの要素を織り込みながら、出会ったその日のイケメンの王子様と結の約束をかわしキスをする。そんなメルへチックすぎる語り尽くされたおとぎ話をDISNEY自身ががバカにしたような部分もあって、始終笑ってしまいました。

いつも歌って踊って笑顔でハッピーな言葉しか知らないジゼルはとてもかわいいけれどおとぎの国では決して味わうことの無い「怒り」という初めての感情を目の当たりにしてなぜか喜ぶジゼルも、今まで歌い続けていた世界で考え事をしてしまうジゼルも、ロバートとの分かれに悲しむ姿もすごく人間らしくて好き。

面白くて、かわいくて、何度観ても観た後はとっても幸せな笑顔になるすばらしい映画です。
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