以前私の最も好きな007映画として紹介させていただいた「007私を愛したスパイ」に続き製作されたシリーズ第11作。
前作にもまして、パロディ精神とお笑いの要素が詰まっている作品です。
監督は前作に続いてルイス・ギルバード。
音楽ジョン・バリー、ご機嫌な主題歌「ムーンレイカーのテーマ」を唄っているのは「007ゴールドフィンガー」「007ダイアモンドは永遠に」に続き三度目の登場のシャリー・バッシー。
そして、ジェームス・ボンド役は私のお気に入りロジャー・ムーア。
ボンドガールには、ロイス・チャイルズ。
綺麗でした。
開巻のスカイ・アクションの後にムードたっぷりに、
♪Where are you Why do you hide~
と主題歌が流れてくると、
ああ、お正月だなあ(1981年のお正月映画でした)と感じました。
アメリカからイギリスへ空輸中のスペース・シャトル<ムーン・レイカー号>が乗っ取られる。
上司Mの指令により自家用ジェットで帰る途中、前作で大評判だった鋼鉄の歯を持った悪役ジョーズ(リチャード・キール)に飛行機から突き落とされるが、スカイダイビングの格闘の上なんとか事なきを得る。
このオープニングがまず第一の見せ場。
後はおなじみの展開。
悪の首領ドラックスが差し向ける刺客との戦いが、モハベ砂漠から水の都ヴェニス、そしてブラジルのジャングルへと転々と繰り広げられる。
秘密兵器も次々登場。
特にボンドのゴンドラが→高速ボート→水陸両用ホーバークラフトと早代わりするシーンは傑作です。
前作に続き、本作でも凶悪振りと笑いを提供するのは、
リチャード・キール演じる鋼鉄の歯を持つ殺し屋ジョーズ。
身体を張ったアクションをみせてくれるのと同時に、恋人が出来たりします。
そしてクライマックスは、当時ブームだった宇宙活劇を盛り込んでの宇宙ステーションでのアクションになります。
大変面白かった作品だったんですが、スパイ・アクションというにはかなりかけ離れていきました。
というわけで、次作「007ユア・アイズ・オンリー」では原点回帰に戻ろうという製作者側の意図が見て取られるようになり、より現実味のあるアクションへ帰っていきます。
でも私は、エンターテイメントとしてのこの作品を否定しません。
理屈抜きで面白かったですから。