半兵衛

極悪拳法の半兵衛のレビュー・感想・評価

極悪拳法(1974年製作の映画)
2.0
YouTubeにて鑑賞。

これぞ東映にしか出来ない、エクストリームな刺激に満ち溢れた映画。ただ面白いかというとそうではなくて、激辛の不味い料理を喰わされているような旨味のない刺激をただただ食する好事家向けの作品でもある。実際話は行き当たりばったりの杜撰な内容で、渡瀬恒彦演じる主人公の鉄拳がスパイを探すドラマは一応用意されてはいるが黒幕はキャスティングの時点でもろバレだし、一応のターゲットである天津敏がプライベートで彼女と一緒にいた主人公と偶然出会う流れがあまりにも頭が悪すぎて何にも考えられなくなる。まあそもそも外国のスパイを見つけるのに武道の達人をかき集めるという話自体狂っているのだけど(おそらくプロデューサーが劇画を読みながら発想したのかも)。

それでもリアルな渡瀬恒彦の空手スタイルによる格闘や、渡瀬の仲間である沢村忠やガッツ石松の各々の格闘術を生かした戦闘シーンはかなり見ごたえがある。また渡瀬恒彦との掛け合いなど、沢村忠の達者な演技力もみどころ。それと最初は外道キャラと思われていた渡瀬恒彦が所々で人情味を出すことでガッツ石松や沢村が友情を感じてともに行動し、石橋雅史が悪人と渡瀬の間で苦悩する展開に説得力を持たせている。まあ最後には敵に電話しながらその部下の女をレ〇プするという外道プレイをやってるけど…。

賑わいが好きな小沢監督らしく、汐路章や山城新伍、曽根晴美といった役者陣が話と関係なしに出現してアドリブ演技をかまして消えていく。あと中国人演技の志賀勝やエキストラ同然なのにやけに目立つ片桐竜次といったピラニア軍団の活躍も必見、最後には大勢の悪人の中に拓ボンも出てくる。

あと数珠から剣になる蛇腹剣のモデルみたいな武器も出てくるよ、何度見てもどういう構造なのかわからない男子の空想を具現化したような武器が男心をくすぐる。
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