このレビューはネタバレを含みます
ヒースレジャー追悼月間、第10弾。
1月22日の今日は、やはりこれで。
早いうちに両親を亡くし、牧場を転々としながら育った、無口で無学なカウボーイ、イニス役。秘密の相棒、ジャックとの出会いから別れまでの20年間。19歳から40歳までをメイクや髪型に加え、仕草や喋り方で歳を重ねていく様子を表現している。
当時24、5歳のヒースだけど、19歳の子の父親としても違和感ない。
書きたいことは山ほどあるけど、今回観て印象に残ったのは、4年後の再会のキャンプで夜空を見上げてニコニコするイニス。このヒースの笑顔といったら!幸せな時って、こんな風に笑顔が溢れてしまうよね。そんなイニスにジャックが「天国でも見ているのか?」と聞く。この問いかけもたまらない。ジャックの、イニスへの愛に溢れた言葉。
そして、最後のケンカのシーンではまた泣いてしまった。毎回違った気持ちで泣けて来るので不思議。
それからシャツ。この映画を初めて観た時、イニスのクローゼットではジャックの時とは逆に重ねてあるって所で「オォーッ」て号泣したのを覚えているが、これはヒースのアイディアだっとか。こんな小洒落た演出を考えられるヒースの凄さに脱帽。
最高のヒースに何度でも会える、この映画に感謝。
沢山の人生や人間関係、生き方や人としての在り方を投げかけてくれて、夢やときめき、感動や涙、笑いや微笑み、切なさや憧れ、沢山の感情をくすぐってくれたヒースに感謝して、合掌。安らかに。
そして、沢山の映画をありがとう。これからも楽しませてもらいます。
(以前のレビュー)
好きすぎてまとめられない。もう何十回観たことか。
まず、序盤のブロークバックでの2人のドラマと大自然風景が最高。
映画全体を通して、独特の奥ゆかしさがあり、東洋人監督ゆえの素晴らしい仕事だと思う。
原作のイニスとジャックは粗野でいけてない青年という設定だけど、映画のヒースとジェイクが美しすぎてお話の雰囲気は、原作からは離れちゃったかも。それでも、映画は映画で素敵だった。
それなりに恋愛して、結婚して子を持つと、このお話がリアルで身近に感じられる。若き日の恋愛は鮮やかなまま絵葉書のようにいつまでも心に残る。現実の生活に埋もれていくうちにより美化されていくのだと思う。
もちろんこのお話は同性愛という、もう一つ難しいテーマを抱えているのだけど。何しろ、2人が美しすぎて、切ない。
最後のケンカや重ねたシャツのシーンは名場面中の名場面だけど、イニスとラリーンの電話のシーンは隠れた名場面だと思っている。