「お前らにさぁ、本当に言いたいことをさ、人に言えない辛さが分かるの? 俺分かるよ、わりと」
おいおい監督出てきちゃったよ……とツッコみたくなるシーンだが印象的なセリフ。
橋口亮輔監督デビュー作。
他の作品でも思うけど監督は「残酷な博愛主義者」的な人物像にものすごく愛憎抱いていそうだ。
主人公の樹は金を稼ぐために割り切ってゲイ相手に身体を売っている、どこか冷めた大学生。
「君みたいな息子がいるお父さんはいいなぁ。君、すごくいいよ。僕も君みたいな息子がいたら……」と言いながら樹を抱いたおじさんが、樹の大学の先輩のお父さんだった事が発覚するシーンは、状況的に考えるとすごく悲惨なんだけどもなんだか笑えてくるのが不思議。