安堵霊タラコフスキー

私生活のない女の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

私生活のない女(1984年製作の映画)
4.8
映画を作ることが主題のメタ映画は数あれど、ここまでぶっ飛んだ作品はそうないだろう

燃えるマンションの側を歩く主人公の女から始まっていきなりのズラウスキー節に歓喜したが、以降も踊り狂う裸の主人公の写真撮影や何故かいきなり暴徒に主人公と劇中の監督が襲われるシーン、ランベール・ウィルソンが突如車を銃撃しクラッシュさせたりと他のズラウスキー作品同様控えめに言って頭逝ってるとしか思えないシーンの連続で見ているこっちが狂いそうなほど疾風怒濤で最高だった

そして劇中で撮られる悪霊のシーンもやはり頭おかしいものばかりだったのだけど、それ故にどこから劇中劇でどこから劇を外れているか一見わからない箇所も多々あり良い意味で混乱させられた

主役の演技も最初は泣き喚くばかりだったのに映画撮影に関する、それこそ私生活のなくなる波乱の状況に立たされた結果クライマックスで鬼気迫る演技をする姿は圧巻だった

しかし悪霊のシーンがそのままズラウスキー然としていたように、実際ズラウスキーがこの劇中の監督みたいな性格だったとしたら確かに天才的ではあるが厄介極まりないことだ