DCコミックのグラフィックノベル。
アカデミー賞で6部門にノミネート、
更には撮影賞では受賞をしています。
アメコミ原作と侮るべからず。
本作のドラマパートはお見事。
マフィアの殺し屋として生きる男。
その男はいい人間なのか、
それとも悪い人間なのか、
その立場にある人間によって違う。
マフィアに敵対する者には悪い人間だろう。
マフィアに強力する者には良い人間だろう。
マイケル・サリヴァンを演じるのはトム・ハンクス。
ヒューマンドラマの名手と言えますトム・ハンクス。
今回の役はマフィアの殺し屋であるトム・ハンクス。
育ててくれた父親代わりのボスに大きな恩があり、
その為にはどんな汚い仕事でも引き受ける。
だが、二人の息子には仕事について話さず、
ついに長男のマイケルが行動をしてしまい、
それがきっかけでサリヴァンの運命が急転。
人殺しの現場を目撃した息子のマイケルに、
ボスの息子コナーは口封じに妻と次男を殺害する。
家族を殺されたサリヴァンは怒りを募らせ、
息子のマイケルとともに復讐を果たします。
本編の真の主人公とも言えるサリヴァンの息子である、
マイケル・サリヴァン・Jrにタイラー・ホークリン。
マイケルは父親とは微妙な距離を感じていて、
それは同様にサリヴァンも無意識に距離を置き、
その理由は息子が自分とそっくりだったから。
同じ暴力の道を歩ませたくない父親の思いです。
しかし、二人となった本当の絆を築いていく。
マフィアのボス、ジョン・ルーニー。
演じるのはポール・ニューマンです。
実写映画として本作が遺作となった。
その名演技は複雑な立場にあるボス。
名優が放った最後の立ち回りでした。
ボスの無能な息子コナーにはダニエル・クレイグ。
6代目現ジェームズ・ボンドがバカ息子を演じた。
今から思えば、実に豪華なキャスティングでした。
ジョンがサリヴァンを殺す為に雇う殺し屋。
マグワイアを演じるはジュード・ロウです。
短い出演ながらも強烈なキャラクターです。
役作りの為に実際に髪の毛を抜いています。
リーアム・ニーソンが主演した、
『ラン・オールナイト』と似る。
スピード感を落とせば本作です。
ドラマ性を濃くすれば本作です。
物語は全体的に静かながら、
復讐を遂げようとする父親、
父親からの愛を求める長男、
この二人の関係性を物語る。
最後にマイケル・サリヴァン・Jrが口にしたセリフ。
「マイケル・サリヴァンは僕の父だった」
本作を鑑賞した人間にしか分からない深い意味を持つ。
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