あきしげ

ロード・トゥ・パーディションのあきしげのレビュー・感想・評価

3.5
DCコミックのグラフィックノベル。
アカデミー賞で6部門にノミネート、
更には撮影賞では受賞をしています。

アメコミ原作と侮るべからず。
本作のドラマパートはお見事。

マフィアの殺し屋として生きる男。
その男はいい人間なのか、
それとも悪い人間なのか、
その立場にある人間によって違う。

マフィアに敵対する者には悪い人間だろう。
マフィアに強力する者には良い人間だろう。

マイケル・サリヴァンを演じるのはトム・ハンクス。
ヒューマンドラマの名手と言えますトム・ハンクス。
今回の役はマフィアの殺し屋であるトム・ハンクス。

育ててくれた父親代わりのボスに大きな恩があり、
その為にはどんな汚い仕事でも引き受ける。

だが、二人の息子には仕事について話さず、
ついに長男のマイケルが行動をしてしまい、
それがきっかけでサリヴァンの運命が急転。

人殺しの現場を目撃した息子のマイケルに、
ボスの息子コナーは口封じに妻と次男を殺害する。

家族を殺されたサリヴァンは怒りを募らせ、
息子のマイケルとともに復讐を果たします。

本編の真の主人公とも言えるサリヴァンの息子である、
マイケル・サリヴァン・Jrにタイラー・ホークリン。

マイケルは父親とは微妙な距離を感じていて、
それは同様にサリヴァンも無意識に距離を置き、
その理由は息子が自分とそっくりだったから。
同じ暴力の道を歩ませたくない父親の思いです。
しかし、二人となった本当の絆を築いていく。

マフィアのボス、ジョン・ルーニー。
演じるのはポール・ニューマンです。
実写映画として本作が遺作となった。
その名演技は複雑な立場にあるボス。
名優が放った最後の立ち回りでした。

ボスの無能な息子コナーにはダニエル・クレイグ。
6代目現ジェームズ・ボンドがバカ息子を演じた。
今から思えば、実に豪華なキャスティングでした。

ジョンがサリヴァンを殺す為に雇う殺し屋。
マグワイアを演じるはジュード・ロウです。
短い出演ながらも強烈なキャラクターです。
役作りの為に実際に髪の毛を抜いています。

リーアム・ニーソンが主演した、
『ラン・オールナイト』と似る。
スピード感を落とせば本作です。
ドラマ性を濃くすれば本作です。

物語は全体的に静かながら、
復讐を遂げようとする父親、
父親からの愛を求める長男、
この二人の関係性を物語る。

最後にマイケル・サリヴァン・Jrが口にしたセリフ。
「マイケル・サリヴァンは僕の父だった」
本作を鑑賞した人間にしか分からない深い意味を持つ。

RE-158
あきしげ

あきしげ