多分ハワード・ホークスの作品で一番好きな映画
あまりドラマらしいドラマが起こらず、ただアフリカで動物を捕獲するチームの日常をひたすら描いただけの映画だが、その非凡な環境での日常性とわざとらしくない雰囲気がまさに素晴らしいもので、終わるときには後ろ髪が引かれるほど愛着が抱けるほどだった
それにアフリカの自然で野生の動物らと日夜苦闘を繰り広げる様だけでも十分に見応えがあるもので、車両に突進する犀や牛の姿は見ているだけで肝が冷え、よくこんな映像を撮ったものだと感嘆するほかなかったけど、この映画の上映時間が長めになったのって犀とかの捕獲に思ったより苦戦したからではなかろうか
加えて捕獲した動物に関する描写も凄まじいものばかりで、仔象の世話とかはまだ文字通り可愛いものだけど、ヒロインが豹の隣に座って手を舐めさせるシーンや大量の猿を捕獲するシーン等はこれまたよく撮影できたなと開いた口が塞がらなくなる描写になってて、そういう場面で毎度毎度驚嘆させられるから困る
とにかく非日常的環境の日常や野生動物のドキュメンタリー的描写が秀でた作品となっていて、ドラマ性より卓越した表現を求める身として実に好ましい映画だった
他の映画ファンと感性が合うか確かめるとき、ハワード・ホークスの映画でこの作品が好きかどうかというのは結構良い指針になるかもしれない