Kumonohate

ハタリ!のKumonohateのレビュー・感想・評価

ハタリ!(1962年製作の映画)
4.4
生まれて初めて見た映画は、無類の動物好きだった私を喜ばせようと父が連れて行ってくれた「サハリ!」。紛らわしいタイトルを冠する本作は、その後、「サハリ!」を再見しようとして間違えて見た映画。だが非常に面白かった。そのため、以来、何度か鑑賞している。

内容は、動物園のオーダーで野生動物を捕獲するチームの話。2度ほど出てくるクロサイの捕獲シーンは、数台の車で1頭を追いかけ回すから、きっと恐怖に怯えてるから暴れるんだろうなと、ちょっと可哀想。だが、それでも、一連の動物の捕獲シーンは迫力満点。アフリカスイギュウやサイがマジでジープに体当たりしてたりする。その体当たりでチームの一人が足を怪我して入院するというエピソードから物語が始まるのだが、映像を見る限り、本当にサイの角に足を引っかけられているように見える。まさか動物タレントのサイじゃなかろうし、捕獲はマジでやっているみたいなので、リアルにアクシデントだったのかもしれない。だとすると、そのアクシデントを生かしつつストーリーを急遽変更したと言うことなんだろうか? などといった具合に、一体全体どうやって撮ったんじゃ?これ、という驚きのシーンがいっぱいである。

さらに、無類の動物好きとしては、現在は絶滅危惧種であるクロサイは(近年は個体数が増加傾向にはあるものの)この頃はまだそれなりの頭数がいたのだな、とか、オリックスって単体で行動することもあるんだ、とか、やはりアフリカゾウの知能は相当高いのだな、とか、見るたびに色々な発見があってとても楽しい。チームが暮らすサバンナの家の中、ロッキング・チェアでくつろぐチータや、物語のクライマックスに用意されている子象の突撃シーンもむちゃくちゃ可愛い。人間を襲ってこない限り、無闇に動物を傷つけたりしないし、とにかく、たいへん幸福な気持ちになれる作品である。

それにしても、「サハリ!」はいつになったらソフト化されるのだろう。それが無理なら、せめてCSで放送してほしい。
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