Kirisshy88

浮き雲のKirisshy88のレビュー・感想・評価

浮き雲(1996年製作の映画)
2.4
『真夜中の虹』では冤罪に近い形で拘置所生活に陥った男たち、『浮き雲』では失業後に就業と金策に苦悩する夫婦など、不本意に社会から落後した?人々の鬱屈をリアリスティックに描いたプロレタリアート映画である。
登場人物たちの不器用さと場当たり的行動に、観ている側が苛立つ閉塞感と不安感を感じる半面、作品の最後に希望の光とも言える展開が僅かに描かれており、その対比が効果的で作品になっているように感じられる。
個人的には解りきった日常生活の各シーンが長く、間延びして退屈であり、この監督の作品は自分の速度に合わないため総じて苦手である。半分の時間でも十分に味わえる作品群だが、こうした点は好みによるだろう。
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