エアール

湖のほとりでのエアールのレビュー・感想・評価

湖のほとりで(2007年製作の映画)
3.2
北イタリアの小さな村にて
村内にある小さな湖のほとりで発見される若く美しい女性の遺体。

遺体は全裸で、その上には上着がかけられおり不自然な姿勢をとっていた。
死因は呼吸障害
ーー溺死、または他に原因ありか…
首に跡が確認できたため殺人の可能性が濃厚。
殺人遺体にしては表情はとても穏やかで抵抗した様子もない。
まるで死を受け入れているかのようにも捉えることができる。
これらのことから犯人とは面識があった可能性が大。

遺体発見の連絡を受ける、村に越してきたばかりのベテラン刑事 サンツィオ。
老体に鞭を打って、サンツィオ警部が犯人と事件の真相解明に挑みますと…。

当時、各映画賞を席巻したイタリア映画らしいので、どんなものかいざ鑑賞です。


村人への事情聴取をはじめるサンツィオ警部、
話を聞くうちに
彼らの口から語られる意外な過去や事情、隠れた事実が
徐々に明らかとなっていく。
これらのことが事件とどう関わりを見せるのか…

湖に纏わる伝説
ーー湖に住む蛇、それを見てしまうと永久の眠りへと、
死んだ女性 アンナはスポーツ万能で活気溢れる人気者
ーーだが、ベビーシッターをしていた子どもが朝食中にビスケットを喉に詰まらせ窒息死してから人が変わってしまったとか、
病院の検査結果
ーー脳に腫瘍があり、せいぜい余命1年、
各々事情を抱えた”哀しい”家族たち
ーー知能障害を抱える息子と脚が不自由な父親、
実の娘を偏愛する父親と存在を無視され続ける義理の娘、
進行性の痴呆症を患う妻と存在が忘れ去られつつある夫、
”普通”の子とは違う、病気をもつ難しい問題児と我が子に確かな愛情を注ぐことができない両親、…。


派手さとは無縁な作品。
ミステリーよりか、ヒューマンの要素が強いように思えます。
物語は淡々と、静かに進行していくのでそこは好みでしょうかね。
納得いかない部分も少なからずあるのですが、まあ良しとしましょう。

誰が、何の目的で美少女を殺したのか…
気になる方は是非。
エアール

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