トシオ88

ヒロシマモナムール/二十四時間の情事のトシオ88のレビュー・感想・評価

3.6
1950年代の広島を舞台にした束の間の男女の逢瀬を描く。フランス🇫🇷の女優役としてのエマニュエル・リヴァと建築技師役の岡田英次の2人が主役。まだ復興途中の広島でのロケが一層のリアル感を映画にもたらす🎬

冒頭20分ほどは、ベッドの中でのリヴァの独白と、被爆地広島の惨状と現代、そして岡田英次の「…君は何も見ていない。何も…」。被曝後の惨状は映画「ひろしま」からの抜粋もあるが、居た堪れない気持ちになる😢
リヴァも英次も第二次大戦で深層では深い傷を負っているけど、被曝の惨禍に比べれば…。結局、その2人の抱えている傷と広島の惨状との間に横たわるギャップの深淵さが深すぎて、映画に入り切れなかった…

当時の広島とリヴァの故郷の仏ヌベールとの景色の対比が興味深い。どぎついネオンの広島と石造の重厚なヌベール。そして唯一岡田英次が日本語を話すのが広島駅のベンチ。隣に座った老婆にリヴァのことを尋ねられ、「フランス人です。別れるのが悲しい…」と日本語で呟くのが印象的。
そしてエンディングはまた唐突に訪れる…
観客を投げ出して、画面が暗くなり、Finの文字が…。でもこれがあるからちょっと古いフランス映画が好きなのかもしれないなぁ😆🎬🇫🇷
トシオ88

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