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人生とんぼ返りのmat9215のレビュー・感想・評価

人生とんぼ返り(1955年製作の映画)
3.5
山田五十鈴の瓜実顔と喋り方の優雅さにうっとり。左幸子も上手いけど、マキノ雅弘が所作を付けたのではないかな。『続清水港』や『男の花道』といったマキノ作品のみならず、溝口健二の『愛怨峡』といい、芝居を扱う映画は舞台の舞台といったメタ構造を見せて興味深い。本作の白眉は病の床にある森繁久弥を左幸子が久しぶりに訪ねてきた場面。会話する左幸子が、カットごとに簾越しだったり、簾から顔を出す。そこに繊細な影が投げかけられている。
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