ねまる

孫文の義士団のねまるのレビュー・感想・評価

孫文の義士団(2009年製作の映画)
3.8
ドニー・イェンが主演なので、勝手にアクション映画だと思っていたら、
1905年、香港が英国統治下だった時代、清朝を倒すため立ち上がるために戦った歴史もの。
日本が明治時代になり、変わっていった頃、香港も変化の時代を迎えていたんだなぁ、とあまりにも知らない香港史、中国史のことを思っていた。

清朝倒すために、孫文来るから、孫文が革命家たちと議論をする時間を持たせるために戦った人たちの話、というやんわり理解でもなんとかなる。
ドニーさんは真ん中にはいるけれど、違う物語で動いているので、ドニーさん視点で考えない方が良いのかも。

当時香港映画賞で作品賞を獲ったり、中国でも話題になったという作品。
より良い中国のため現王朝を倒すため香港から立ち上がる話、今は良いのかな。香港映画界心配です。今中国では愛国映画がすごいヒットしているらしいよ。永遠の0が日本でヒットした時とニアリーイコールなのかなぁ。
ほんと、まだまだ世界のこと分からないことばかり。

メインキャラクターを何人かに絞り、個人の視点から革命を描くことで、より情熱的に、より悲劇的になっていて、わからない歴史の話なのに感情移入出来たのが良かった。
当たり前のように人が死ぬし、当たり前のように市民が巻き添えになるし、正義であるべき警察は関わらないし、そんな状況の中で、命を懸けて立ち上がった人たち。どこの国にいても熱いよ。

お金持ちの商人とその息子が良かった。
僕は国を見捨てない!って16歳の男の子が言うんだよ。信念は分かっても我が子には関わって欲しくないお父さんも良いの。
あとね、人力車を押す男の子。あの子のあの目は特殊メイクなんだろうか。あの表情が忘れられない。
息子くんと人力車ボーイの関係も良かったな。

あとは戦う武器の特殊さ。
劇団の娘の女の子が使う鎖を繋いだ武器とか、どうやって戦っているのか凝視しちゃった。
強い女の子はいつの時代も最高。

それから、そうそう、これは書かなきゃ。
鉄の扇子で戦うレオン・ライ。
この映画の全アクションシーンでのハイライト。
世捨て人のように髪も髭も伸び伸びなところからの、綺麗な顔よ。
空っぽな目が生かされるね。

中国版『ローグ・ワン』とどこかで見かけたけれど、本当にその通りだね。
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