せびたん

赤い影のせびたんのレビュー・感想・評価

赤い影(1973年製作の映画)
5.0
娘を水死させてしまった夫婦が教会の修復作業の仕事でヴェネツィアへ行き、ホラーでオカルトな体験をする、という話です。

繰り返される水のイメージが素敵な作品です。

喪失感や贖罪の意識、死の予感とかでいっぱいの作品でもありますが、そういう負の世界からの回復?癒し?喪の仕事的な作用?が私の心の中で働いた不思議な映画でもあります。

主人公には弱い予知能力があるみたいなんですが、娘が水死する冒頭のシーンでは能力の発動が遅すぎて間に合わず…
さらには本人がスーパーナチュラルな力の存在をまったく信じてないため盲目の霊能力者の警告も無視しちゃい…
結果、めちゃめちゃ衝撃のラストを迎えるわけなんですがそれは見てのお楽しみ、ですかね。

そしてこの映画のカットバック、最高です。

VHSで初めてこれを観た時このものすごいカットワークに夢中になって、何度も繰り返し観たものです。
先日「スクリーム4」を観たらこの映画のことが語られており、スクリームで語られるんならホラーの名作だろうし、今見てもいけるんじゃないかと思い、久しぶりに観ました。そんなに古くなってませんでした。ていうか制作されて45年くらい経ち、やっと時代がこの映画に追いついたんじゃないかと思ったくらいです。なのでキーワードは「映画界のオーパーツ」です。
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