ユースケ

ドーン・オブ・ザ・デッドのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

オリジナルに負けない残酷描写とオリジナルにはない走るゾンビの緊張感。
マスターズ・オブ・ゾンビことジョージ・A・ロメロ監督が作り出したゾンビ映画のスタンダード【ゾンビ(原題ドーン・オブ・ザ・デッド)】を、ジョージ・A・ロメロ監督と同じくCM出身のザック・スナイダー監督がシズル感たっぷりにリメイクし、ゾンビ・サバイバル・アクション映画のスタンダードとなった一本。

日常の崩壊を描いたオープニングの地獄絵図から、ゾンビの群れを改造したバスでなぎ倒すクライマックスの脱出劇まで、キメ画職人ザック・スナイダーのビジュアルセンスが光りまくり。
カイル・クーパーによる世界の終わりを告げるニュース映像とJohnny Cashの【The Man Comes Around】が流れるタイトルバックが終わる頃には、終末世界の絶望感にどっぷり浸れる事でしょう。

とにかく、救いのないゾンビの出産シーンをはじめ、チェーンソーの暴走でオッパイ要員の女が袈裟斬りにされたり、「もしも俺が噛まれてアイツらの仲間入りした時には撃ち殺してくれ」と軽口を叩いていた自己中のゲス野郎が予告通りゾンビになって射殺されたり、威張りん坊だったオッサンが仲間を助けるためにゾンビを道連れに自爆するここは俺に任せて、先に行け!展開があったり、みどころ満載。

更に、パスター基地の司令官を演じるスコット・H・ライニガー、ケーヒル保安官を演じるトム・サヴィーニ、そして、「地獄が死者であふれた時、死者が、地上を歩くのだ」と、お馴染みの名ゼリフをかますテレビ宣教師を演じるケン・フォリーなど、オリジナルキャストをカメオ出演させるオリジナルへのリスペクトも要チェック。

Jim Carroll Bandの【People Who Died】とDisturbedの【Down With the Sickness】がバックに流れる夢も希望もない絶望エンドクレジットもたまりません。

ちなみに、メッセージ性のない潔い脚本を書き上げたのは、今では【ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー】シリーズの監督を務めるまでに成功したジェームズ・ガンです。