Sari

秋のソナタのSariのネタバレレビュー・内容・結末

秋のソナタ(1978年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

2018/10/19 名古屋シネマテーク
【ベルイマン 生誕100年映画祭】デジタル・リマスター版

『カサブランカ』の名女優と、ベルイマンのミューズの演技対決。

娘は母に劣等感を抱き、それが恨み、辛みとなって暴発するが…

ストーリーよりも、むしろその内容に有り余るほどの説得力を持たせたリヴ・ウルマンの演技力が素晴らしい。
母親役のイングリット・バーグマンは年齢を重ねてもとても美しく、演技もかなり頑張ってはいるが、基本的にウルマンの演技を受け止めるのが精一杯で、ときに気圧されているようにさえ見えるほど。
ウルマンの殆どスッピンに近い顔。
皺が出来やつれた肌の質感、顎と口元のたるみ具合、お下げ髪と丸眼鏡。
自然な経年変化を想像させるビジュアルから素晴らしいと言ったら良いのか…
『叫びとささやき』『仮面/ペルソナ』と続きリヴ・ウルマンが好きな女優の1人となった。

親子と言えども同性同士。
この2人の様に複雑な関係では無くても、
女性ならではの親子関係の難しさは、多かれ少なかれ誰でも身に覚えがあるのではないだろうか。
女性遍歴豊かなベルイマン監督だからこそ、女性の細やかな感受性や深層心理を静かに見つめ豊かに描く事が出来るのだろう。
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