黄金トリオと呼ばれるスコセッシ、デ・ニーロ、ジョー・ペシが実話を基に作り上げたマフィア映画の傑作。
冒頭から全編通してナレーションが全開で、長尺のストーリーをグイグイと引っ張っていきます。
途中で視点を主人公から妻にすり替える荒技も含めて作品にテンポを生み出している一方で、余白を読む映画的な楽しみは削がれている印象です。
マフィアに憧れる主人公が少年時代から一人前に成長していく過程を描いていますが、時を経ようが暮らしぶりが変わろうが、その人生には常に暴力がつきまとっています。
そしてその暴力性を象徴するエキセントリックな相棒を見事に演じたペシの存在によって、主人公が結局は最後まで本物のマフィアにはなれなかったことを強調させています。
有名な"Funny how?"のシーンの緊張感は素晴らしく、オスカー受賞も納得でした。
しかしナレーションを多用しすぎた弊害として、やはりエピソードの継ぎ接ぎ感は否めず、内面描写にも深みがない気がしました。
