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グッドフェローズのたけpのレビュー・感想・評価

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
4.0
昨日「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013年)を見た流れで「グッドフェローズ」(1990年)も鑑賞
こっちは2回目の鑑賞

【総評】
主人公ヘンリー(レイ・リオッタ)による父親探しの映画だと解釈した
そのことは妻カレン(ロレイン・ブラッコ)の「彼には家族が2つ」というセリフからもわかる
血縁上の父親と不仲になり、ギャングのポーリー・シセロ(ポール・ソルヴィノ)を父親の代わりにする
そして最後はポーリーから父離れする話だという解釈

【ヘンリーについて】
主人公ヘンリーが逮捕されてから初めてギャング仲間から1人前と認められるのはイニシエーション的な儀式だと思った

【ジミーについて】
ジミー・コンウェイ(ロバート・デ・ニーロ)は29歳で伝説のギャングという説明
ロバート・デ・ニーロの俳優人生に重なるかと思ったけど、ロバート・デ・ニーロがスターになったのは30代になってからなので少しズレる

【トミーについて】
トミー(ジョー・ペシ)は今の時代なら何かしらの病名がつくコミュニケーション障害に見える
結末まで含めて彼が一番ギャングらしい生き方

どのシーンでもトミーがしゃべりまくって場を支配する
しゃべりで場を支配する男=一番偉いってのはタランティーノ映画に引き継がれてる

【カイラについて】
トミーがすぐに怒りだすとんでもないサイコ野郎だと思ってたら、嫁のカレンがトミー以上にキレるオバサンだったというのは面白い
愛人ロッシのアパートに押しかけてアパートの管理人に「2階の女は売春婦よ」と触れ回るキチガイっぷりもすごかった

【人種問題について】
黒人のサミー・デイヴィスJrを褒めた女に対してそういう発言をするなとトミーが注意したシーンなどで当時の黒人への差別はわかった
アイルランド系は幹部になれないギャングの独自ルールとかイタリアとアイルランドの差別意識は日本人の自分にはわかりにくかったな

【演出について】
音楽とテンポの良さは「ウルフ・オブ・ウォールストリート」にも引き継がれてる

主人公ヘンリーの叙述によって話が進むのだけど、途中では妻カレンの叙述も入るのはうまくないなあと思った
ヘンリーの叙述だけでよかった

ヘニー・ヤングマンのステージショー
映像は切り替わって現金の窃盗シーン
音声は切り替わらずにヘニー・ヤングマンの漫談が流れ続ける
つまり映像と音声をわざとまったく別々のものを流してるんだけどこれはうまくなかった
これが本当にかっこいい演出ならば他の映画監督もマネしてるはずだけど、他の映画監督もマネしないしスコセッシ本人ももう使ってないので失敗だった

法廷ではヘンリーがカメラにむかって話しかける第四の壁演出が使われてて、これは「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でも使われてる
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