少年時代からギャングのポーリーのアジトでバイトをしていたヘンリーは、"グッドフェローズ"と呼ばれるギャングの仲間入りをする。やがてジミーやトミーといったグループ内でも危ない男たちとつるむようになり......。
実話が基となったギャング映画で、主人公ヘンリー・ヒルの栄光と破滅を彼の少年時代から20年以上の歳月を追って描いた巨編。
スコセッシ監督とニコイチのロバート・デ・ニーロや、『レイジングブル』にも出てて後に『カジノ』などでもメインキャラを演じるジョー・ペシが脇を固めつつ、主演は本作が出世作となるレイ・リオッタ。大物たちに囲まれて良い意味で青臭さの残る青年ヘンリーがどんどんヤバい道へ染まっていくのを好演していて、序盤と終盤の顔の違いが恐ろしかった。
デニーロは今回はかなり控えめでまさに脇を固めるという感じですが、いるだけで引き締まる感じはさすが......。そして、ジョー・ペシ演じるトミーが高い声で冗談を喋り続けながらいきなりスイッチが入ってキレて人を殺すというヤバい野郎で、主人公が霞むくらいの存在感を放っていました。調べてみて「ああ!」と思ったんだけど、この人『ホームアローン』の泥棒コンビのおじさんの方で、ギャングと泥棒というある種似たような役どころだからこそその差に驚かされました。
ストーリーは主人公がギャングに入って成功するけどクスリとかに手を出してどんどん破滅していくみたいなまぁベタな流れでありまして、ただそれを上記3人をはじめとする魅力的なキャラクターたちが演じることで2時間半くらいあるけど一瞬も飽きず気を抜けない映画になってるのが凄いです。
冒頭、車のシーンからはじまって、そこから遡っといて後々に冒頭に戻るのは『レイジングブル』でもやってましたがやっぱアガりますよね。冒頭では何のことだか分からず気にもしてなかったのが後で戻ると印象的なシーンだったと気付かされるのが堪らん。
そして序盤の流れるようなキャラ紹介の演出からしてオシャレで、まぁ流れるようなので聞き流しちゃってその場ではほとんど覚えられないんだけどその後だんだん分かってくるので良し。
そこからはいろんな出来事がどんどん起こるのでとにかく面白いんですが、若いヘンリーが主人公であることによって危険なギャングの世界に脚を突っ込んでいくのを一緒に体験できつつ、気がつけばどんどん危ない領域に入っていってて我に帰った時には観客はもう振り落とされているのが楽しい。
ホモソ感が濃厚なノリとか、酷いヘマをしたら殺される冷酷さとか、イタリア人しか幹部になれないみたいな内幕とか、マツコの知らないギャングの世界にらどっぷり浸かれて面白かったです。
それにしても主人公はなんか悪いやつじゃなさそうな顔してだいぶクズで引いた。妻のカレンが可哀想すぎる......。