花様年華のベルモットのレビュー・感想・評価

視線とか表情とか、恋愛感情ってそういうところに表れるんだ。
言葉とか肉体とかじゃないんだ。
そう感じた。
ただ、ふたりは私たち観客の目さえも気にしていたかもしれない。
覗き見している私たちを欺き、どこかで一線を越えていたかもしれない。
こんなこと考えるのは無粋かな。

全編通して、やはり美しい。
鮮やかな色彩と溢すような湿度が心を揺さぶる。
この世界でなら、全て許されたかもしれない。
それでも彼らは堪える。
上品でずるい。
子どもの頃に見ていた大人の姿がそこにはあった。