教授

黒い罠の教授のレビュー・感想・評価

黒い罠(1958年製作の映画)
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知らない奴の名前がドンドン出てきて、人間関係の説明もまったくなく、ポンポン話が進む。

ひとつの事件に対して物語が進行していくのではなく、結局のところ、ミステリーでもサスペンスでもなく、オーソン・ウェルズ演じるクィンランの人間ドラマだった。

正しさが捻じ曲がった老刑事の寂しい人生。
まるでリドリー・スコットの「悪の法則」のような、予め筋書きのあったような人生の悲しい因果。

オーソン・ウェルズの容姿の役作りからカメラワーク、カット割、そして「杖」に隠されたメッセージに見る緻密なシナリオ術。

視覚的に作劇的に充実した90分だった。
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