和哉

ヒミズの和哉のレビュー・感想・評価

ヒミズ(2011年製作の映画)
3.0
この監督の映画は相変わらず押し付けがましいというか歪んでいるというか屈折しまくってますねぇ・・・。
それぞれ価値観が異なり好みも違うので、この映画に希望や元気を貰った的な人がいても全然おかしな事ではないでしょう。
ただ・・・個人的には元の設定のままで物語が成立しているのに、わざわざ「被災地」を映画の雰囲気作りの道具に使ったのは監督の自己満足そのものとしか感じませんでした。
監督によると「多くの人に撮影を止められ、自分の中で葛藤はありながらもここで現地に入らなかったら一生後悔すると思い、被災地での撮影に挑んだ」との事ですが「物語に対して影響を与えているとは思えない被災地という設定を自己満足の為に盛り込む?そんな安直な事をしないと一生後悔する?永遠に後悔しててくれ」と言いたくなりました。(そもそも主人公とヒロインは元から最低最悪の家庭環境に生きていた訳ですし、それで物語が成立していた訳ですしね)

色んな記事を見てみると「被災地という設定が主人公の立ち位置をより切なくしている」的な肯定的な言葉もあるようですが、個人的には「被災地の人達の気持ち云々」とかではなく、舞台が被災地である理由が映画のどこからも微塵も感じ取れませんでした。

ただ、主人公役の染谷将太さんの演技はかなりのものがあったのでそこだけが救いでした。

・・・というか、、、この類の鬱々とした雰囲気の邦画の多くが「親がろくでもない」という設定ですよね。
和哉

和哉