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ヒミズのhzkのレビュー・感想・評価

ヒミズ(2011年製作の映画)
3.5
二階堂ふみ出演作を観ている流れで。
うーーーん。ハマらなかった。
園子温監督あんまり観たことないから判断できないけど、独特な雰囲気だよね。
冷たい熱帯魚は好きだったんだけどな。
ふみちゃんはすごく良い。
不思議ちゃんの不安定さと無邪気さを、ウザくなりそうなギリギリのラインで演じ切ってた。いやウザいんだけどね。痛々しさ全開で最高。

映画に被災地の映像を取り込むことが不謹慎だとは全く思わない。
製作中にあの震災が起きたら作品に取り入れたいと思う使命感のようなものは、作り手として自然な感情だし、挑戦的な意欲は勇気あるし凄いと思える。
それでも上手くストーリーとリンクしてるようには感じなくて、必要だったのかなぁと、?が浮かぶ。
思い出したように時々瓦礫の山が出てくるのもなぁ。取って付けた感。
親に死ねと言われ続けて存在意義がわからなくなってる中学生と、日常をひっくり返した大震災と、どう結びつけて観たらいいか謎で、私の感性が不足してんのかなと落ち込むほど。
その絶望は別種類じゃないの。
悪いけど住田はイキった陰キャの厨二病にしか見えないし。まぁ、ウッゼェなコイツと思わせる喚き方とかが染谷将太の巧さなのかな。

路上やバスの中に転がってる日常の中の些細な悪意から目を背けたくなるけど、他人事ではない。
前向きな歌とかちょっとした注意が鼻について、スイッチになって転がり落ちる可能性なんて誰でもある。
3秒後に気が触れてもおかしくないくらい、世の中の人たちが内側に抱えてるものは計り知れない。
これを観て、日本嫌だな、なんて一瞬思ったけど、日本がどうとか周りがどうとか世直しよりも、自分をどうにかしないとな、とふみちゃんのセリフでハッとするよね。

震災との絡め方が疑問だったけど、ラストシーンのあれは、傷つきながらも生きていくしかないっていうエールのようなものなのかな。うん、そういうことで納得しよう。
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