Kumonohate

川のある下町の話のKumonohateのレビュー・感想・評価

川のある下町の話(1955年製作の映画)
3.8
原作未読だが、川端康成らしく、とにかくメイン・キャラクターたちの人間性が徹底的に美しい。てか、美しすぎる。おそらく、一部のエピソードを端折らざるを得なかったぶん、クリスタル度が原作以上に増してしまったのではないかと推察される。だが、そうした美しい心根に、原作が発表された53年には派手に存在していたであろう貧困、および、富める者と貧しい者の断絶といった社会問題が襲いかかることで、ストレスがかかり悲劇が生まれる。そこいらへんのダーク・サイドをもっとガッツリ描いてくれても良かったとは思うが(そうしないとろが衣笠貞之助監督なのかもしれないが)、映像作品としては全く飽きることはない。

それにしても、有馬稲子と山本富士子が美しい。こんな美女2人に惚れられるとは、役の上とはいえ羨ましすぎるぞ根上淳。やはり医学部を受験するに越したことは無い。
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