川のある下町の話の作品情報・感想・評価

川のある下町の話1955年製作の映画)

製作国:

上映時間:107分

3.1

「川のある下町の話」に投稿された感想・評価

原作未読だが、川端康成らしく、とにかくメイン・キャラクターたちの人間性が徹底的に美しい。てか、美しすぎる。おそらく、一部のエピソードを端折らざるを得なかったぶん、クリスタル度が原作以上に増してしまったのではないかと推察される。だが、そうした美しい心根に、原作が発表された53年には派手に存在していたであろう貧困、および、富める者と貧しい者の断絶といった社会問題が襲いかかることで、ストレスがかかり悲劇が生まれる。そこいらへんのダーク・サイドをもっとガッツリ描いてくれても良かったとは思うが(そうしないとろが衣笠貞之助監督なのかもしれないが)、映像作品としては全く飽きることはない。

それにしても、有馬稲子と山本富士子が美しい。こんな美女2人に惚れられるとは、役の上とはいえ羨ましすぎるぞ根上淳。やはり医学部を受験するに越したことは無い。
ホントに川端康成がこんな俗っぽい話を書いたのかな?っていうくらい、つまらないメロドラマな上に映画の作りも雑。

例えば、有馬稲子が勤めていたパチンコ屋の店員が根上淳を待ち伏せしてボコるけどどうやって根上淳の家の方向を知ったのか、というような細かいことかもだけど気になったところが少なくなかった。

根上淳と有馬稲子が大運動会みたいなところでデートする場面が唐突に挿入されるけどあれは一体何だったんだろう?

根上淳からいつも金借りて助けてもらっているのに有馬稲子の全財産をかっぱらう同じの下宿に住む学生とか、ヒドい人間ばっかりが出てくるのも…ヒドくはなくても描き方が足りないのか相手に対する思いやりのない人間ばっかりなので観ていてツラい。
善人と思われる人間はスラム住人で後に赤痢になった多々良純くらいだったかも。

いとこ同士の結婚は合法ということを忘れていた。従姉妹の親が熱心そうさせようとしていて驚いた。この従姉妹が一家揃ってこれまたムカつく。

精神科の患者さんに電気ショック療法をしてて驚いた。この頃はそれもアリだったのかな?
今と違って、この頃の医者のインターンって医師国家試験の前だったのかな?
などなど、映画の作りが雑なので、挙げたこの辺も間違いじゃないかと気になって仕方なかった。

見どころは有馬稲子の美しさのみ。
映画の中でみんなから瞳の美しい人とクドいくらい言われるけど、ホントに溜息が出るほどの美しさで、美人は生きているだけでも世の中の役に立つんだなあと思いながら観ていました。

そういえば彼女を助けようとして殺される米軍相手のキャバレーのボーイさん、かわいそうだった…犬死の見本のような死に様。これまたツラい。