Maoryu002

ペーパーバード 幸せは翼にのってのMaoryu002のレビュー・感想・評価

3.9
スペイン内戦で妻子を失い絶望したホルヘは、相棒のエンリケと孤児ミゲルと暮らし始め、喜劇舞台に出演して生活を立て直す。しかし、フランコ政権の圧政が彼らの生活に影を落とし始めるのだった。

スペイン内戦に子供という組み合わせに、「パンズ・ラビリンス」を思い出した。ちょっと怖い大尉が出てくるし。とても切ない物語だが、こちらはそこまでダークではなかった。

中盤の展開が緩慢でちょっと退屈だったけど、終盤のどんでん返しにはちょっと驚かされたし、サスペンス的な展開がなかなか面白かった。

登場するのは、戦乱で母親と離れた少年、妻子を亡くした男、同性愛者として蔑まれる男。
彼らは喧嘩しながらも助け合って、必死に生き残っていく。そして、それぞれの戦争の傷を克服しながら、進むべき道を選んでいくのだ。

終始、不機嫌で舞台以外では無表情のホルヘが、“パパ”と呼ばれたときの驚きと喜びの顔が印象的!
駅での結末は、ミゲルを救い、やっと家族と一緒になれたホルヘ自身が望んだ道だろう。

厳しい時代を引き立てるような、優しく心地良い音楽が素晴らしかった。
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