ペイン

いつも2人でのペインのレビュー・感想・評価

いつも2人で(1967年製作の映画)
4.5
宇多丸さんイチオシの倦怠期夫婦映画で、町山智浩氏も名著“トラウマ恋愛映画入門”の中で紹介していた本作。

監督はあの『雨に唄えば』のスタンリー・ドーネン。

超絶好みな作品でした。幸せの絶頂期と険悪な倦怠期の時間軸がころころ入れ替わる構成はまさに『ブルーバレンタイン』を43年先取りという感じ(※ころころ入れ替わるが巧く編集されていて見易い)。

とはいえ、ある種ドキュメンタリーのような生々しさを持って倦怠期夫婦が描かれていた『ブルーバレンタイン』とは異なり、基本的に画面全体の色調やテンポはポップで明るく、劇中に出てくる衣装や美術も可愛らしい。特にオードリー・ヘップバーンの着こなしやヘアスタイル、くるくる変わる表情や仕草は堪らなく魅力的。

また“パスポート”が二人を繋ぐキーポイントになっていて、オープニングとエンディングがしっかり対になっている辺りも実に映画的で巧い。

『ローマの休日』や『ティファニーで朝食を』のオードリーももちろん魅力的ではあるのだが、個人的には少し歳を重ねた本作の枯れたオードリーの方が好き。
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