わっしょい

ブラックホーク・ダウンのわっしょいのレビュー・感想・評価

ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)
3.8
ただただ壮絶。言葉を失う。

舞台は東アフリカにあるソマリア。
民族間の内戦に対して介入した米軍の闘いが描かれるノンフィクション映画。
ソマリア民族と米軍の武力差から簡単に終わると思われていた作戦だったが、ブラックホークというヘリが撃墜されたことで血みどろの戦いへと変わっていく。

劇中はひたすらに現場での戦闘の模様が描かれる。
「戦地に残された仲間を見捨てない。遺体も含めて皆で国へ帰る」という信念のもと、次々と部隊を投入するも死傷者が増していくばかり。
圧倒的な数の民兵に包囲されて、徐々に消耗していく戦況が絶望的だった。
戦闘技術では米軍が圧倒的である為、撃ち合いには負けないのだけれど、死を恐れずにひたすらに民兵達が迫ってくるのが恐ろしかった。
特に墜落したヘリに民兵たちが攻め込んでくるシーンが怖い。
銃弾の雨に猪突猛進に突っ込んでくる様は、とても同じ人間とは思えず、衝撃的過ぎた。
死体に対する扱いも酷く、道徳や規律の無い世に生きる人間の怖さを感じた。

戦争映画はあまり観たことがなかったこととから、ただただ衝撃的だった。
この映画を観ただけでショックが大きく、感情がめちゃくちゃになる。
戦場に出た人がPTSDになってしまうのも無理はないと、理解させられた。

決して楽しいとか面白いとかではないけれど、心に強く残る映画だった。
わっしょい

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