ブタブタ

ザ・ブルード/怒りのメタファーのブタブタのレビュー・感想・評価

3.5
『クラッシュ4K』で始まったひとりクローネンバーグ祭り。
次はお家でまた久々に『ザ・ブルード』を。
テレタビーズって何?って検索したらあー確かにそっくりだ。
被験者に苦痛やストレスを与えて、其れが精神内から肉体の外部へ腫瘍やデキモノの形となって排出される事により精神治療となる「サイコ・プラズミック療法」ってどう考えてもろくな事にならないインチキ療法でとんでもない事になる。
人間の「怒り」の精神エネルギーが受肉し怪物化、不気味な子供軍団となり襲って来る。
これって何かJOJOに出て来たスタンド「ノトーリアスBig」とか怒りや怨み、負のエネルギーで発言した極めてグロテスクなタイプのやつみたい。
精神が肉体を変容させる、クローネンバーグの永遠のテーマの初期作。
本作は特に子供への虐待、夫婦の不和、人間関係のストレスやスレ違い、どうしようない負の感情が凝縮される形で「ブルード」という新生命を生み出してしまう。
グロ描写もスプラッター方面ではなく嫌~な精神的に来る感じ。
クローネンバーグ監督の妻との離婚調停の泥沼から生まれた作品らしいですがPKディックも妻との離婚調停の泥沼、また別の妻は浪費家だったり私生活のゴタゴタが作品に影響与えてたりして面白いです。
ブタブタ

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