Maoryu002

ハロルドとモード/少年は虹を渡るのMaoryu002のレビュー・感想・評価

3.9
19歳のハロルド(バッド・コート)は狂言自殺と見知らぬ人の葬儀への参列を繰り返していた。ある日、79歳のモード(ルース・ゴードン)と出会い、彼女の破天荒でアナーキーな行動に興味を持つ。やがて、共感し行動を共にするようになった2人は恋愛感情を持つようになる。

ブラックジョークの達人、ハル・アシュビー監督作品。彼の作品の中では「チャンス」に次いで好きかも。

超個性的というか、愛すべき変人の行動をとおして生きることの素晴らしさを教えてくれる。
モードが警官を手玉に取ったり、軍人をおちょくったりしながら、個性を殺して周りに同化しちゃいけない、人生を楽しまないと語り掛けてくる。あれは悲劇の中を生き抜いてきた彼女だからこその説得力だ。

ただ、自分の行く末を決めていたんであれば、なんでハロルドとの関係をエスカレートさせちゃったんだろう。あれはハロルドが可哀そう。

そして、極端にステレオタイプに描かれる周りの大人たちが滑稽で、特に息子の狂言自殺にびくともせず、我が道を邁進する母親が笑えた。
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