NicoJay

トーマス・クラウン・アフェアーのNicoJayのネタバレレビュー・内容・結末

1.8

このレビューはネタバレを含みます

簡単に説明すると、ニューヨークで投資会社を経営する大富豪トーマス・クラウン(演: ピアース・ブロスナン)が美術館から絵画を盗み、保険調査員キャサリン・バニング(演:レネ・ルッソ)に追われるうち、二人は恋に落ちるという話。

絵画泥棒トーマスと保険調査員キャサリンの丁々発止のやり取りが繰り広げられるのかと思いきや、二人はあっさり男と女の関係になり、トーマスは「世界中どこへ行っても金には困らない」と自分の逃避行にキャサリンを誘います。
その間に絵の贋作だとか諸々あるのですが、大筋は二枚目の大富豪と美人調査員の痴話ばなしで、そんなもの見せられても面白くとも何ともありません。

最終的に二人は一緒になるようですけど、スリルを求めて1億ドルの価値があるとされる絵画を盗むような男と勝ち気で挑発的な女が、金に飽かせて世界中を旅したとて満たされるはずがなく、そんな生活は1年も経たないうち嫌になってしまうことでしょう。
人は、目的を持って何事か成し遂げることに生き甲斐を感じるものです(この二人にはその傾向が強く見て取れます)。
ですがこの映画はファンタジーなのでそこまで描かれません。
つまり、人間の描き方に深みがないということです。

なお、この作品のおよそ3ヶ月前に、ショーン・コネリーとキャサリン・ゼタ=ジョーンズ共演の『エントラップメント』が公開されており、そちらも美術品泥棒と保険会社調査員の色恋を描く娯楽映画なのですが、本作よりもハラハラドキドキする仕掛けがたくさん用意されていると思います。
NicoJay

NicoJay