NicoJay

ラン・ハイド・ファイトのNicoJayのネタバレレビュー・内容・結末

ラン・ハイド・ファイト(2020年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

まず、この映画の制作費が150万ドルであることは押さえておきたいところ。何千万ドルもかけたハリウッド映画の規模を期待してはいけません。
あと主人公の女子高生ゾーイ(イザベル・メイ)がアサルトライフルを構えているのはジャケット詐欺。米国版の劇場公開ポスターはもっと地味なんですけど、日本の配給会社がそれではウケないと思ったのでしょうか。
そんなことをしても逆に鑑賞者からの評価が下がるだけだと思うのですがねえ。

とはいえ、わたしは面白く鑑賞しました。
主人公がただ無双するだけじゃないところがよろしい。
学校内で発生した銃乱射事件をわりかしリアルに描いてるので、面白かったというのも語弊がありますけれど…。

原題の『Run Hide Fight』は「走る(逃げる)、隠れる、戦う」という3 段階戦略プロトコルの意。
まず走って逃げる、それが無理なら隠れる、それも不可能な場合、最後の手段は攻撃者に反撃するというものですが、英雄的行為に出た者が攻撃者を打ち負かせず命を落とした例はとても多いとも言われています。
本作の主人公ゾーイ(イザベル・メイ)も紙一重でしたね。

途中まで、病気で亡くなった母親が登場するシーケンスはいらないんじゃないかと思ってましたけど、ラスト近くで胸熱な展開に。
事件を経て、反抗期をこじらせていたような主人公が成長したようで(お父さん渋くてカッコイイ)、18才少女の成長譚としても味があります。

ラストは、事件の主犯が生徒の一人に缶を運ばせる伏線が回収されているのですが、油断してるところを警告もなしに撃っちゃっちゃあまずいだろうと思いました。
途中、犯人の一人を射殺した父親は、状況が状況ですからそれを立証できれば放免される可能性が高いですけど。
あれが実話だった場合、米国であの父娘はどういう評価を受けるんでしょうね。
NicoJay

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