幼女連続殺人犯を追い詰める集団心理を描いたフリッツ・ラング作品。大衆からの視線と口笛が怖くなる。
特に犯人が無理矢理連れてこられた先の景色は鳥肌もん(恐怖映像ではない)。
効果音がないことが、その映像に効果をもたらしている瞬間が何度かあった。
もちろん犯人を憐れむことはできないし、心神耗弱を疑われた罪人をどう処するべきかは永遠の議題だけど、
白目を剥きながら「自分で自分を追っている」「俺は自分自身から逃げる」と独白し、生きているだけで常に何かに追われ駆り立てられている犯人の気持ちには少し同情した。