シギ

十三人の刺客のシギのレビュー・感想・評価

十三人の刺客(2010年製作の映画)
4.5
残虐な暴君を倒すべく、13人の刺客が300人の敵に戦いを挑むチャンバラアクション映画。

時代劇の醍醐味は、日本人特有の「耐えて耐えて我慢して、ラストに一矢報いる」というカタルシスにあると思います。

その点、この映画はカタルシスの塊!

稲垣吾郎演じる暴君が、
とにかく許せないんです。
遊び感覚で平民を家族ごと弓で射ち殺したり、
女を犯して飽きたら両手脚と舌を斬り落として道に捨てたり、
とにかく「こいつだけは絶対に許せん!!!」という気持ちにさせてくれます。

視聴者の義憤がMAXに達した所で、13人の侍達が300人の護衛軍を罠に嵌めまして、50分間ひたすら血みどろの斬り合いシーンが続きます。

これがまたカッコいい!
松方弘樹って、凄い俳優なんだというこおを痛感させられます。
当然こちら側も無傷では済まず、1人、また1人と倒れていきますが、その散り様も見事で、全員鬼みたいに戦って鬼気迫る顔で死んでいきます。
どうせ勝っても全員国に逆らったんやから、自害確定ですからね。命懸けなんよ。

そしてラストの暴君とのバトル!
あれだけ憎かった暴君が、見事に視聴者をスッキリさせるやられ方をしてくれ、最高のカタルシスがありました。

台詞はボソボソ聞こえにくいし、そもそも昔の言葉なので分からない台詞も多いんですが、文句はそこぐらい。

山田孝之が生きて帰れない戦いに出発する際に、恋人に「盆には戻る。迎え火焚いて待っててくれ」って言うシーンがカッコいいんよ。
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