みんと

画家と庭師とカンパーニュのみんとのレビュー・感想・評価

画家と庭師とカンパーニュ(2007年製作の映画)
3.8
心が穏やかになる優しい作品だった。

ジャック・ベッケル監督の息子、ジャン・ベッケル監督作品。
改めて作品の方向性の違いを感じる。
そして、今作でも登場するワンコが可愛い♡

都会暮らしに疲れ、故郷のカンパーニュに戻った初老の画家。彼が庭師として雇った男は、偶然にもかつての幼なじみだった。すぐに昔のように打ち解けた2人は、豊かな自然の中で様々なことを語り合いながら楽しい時間を過ごすが……。

官能的でもハードボイルドでもないオリヴィエ・オートゥイユの画家ぶりが、新鮮でちょっとだけ違和感。笑(ヌードモデルと浮気しちゃうのは仕方ないかなぁ…)
一方、庭師J=P・ダルッサンは人間味のある普通のおじさん役を演じさせたら安心感が半端ない。味わい深い。

設定然り、諸々ありガチだし正直ツッコミどころもある。
けれど、
ひかり溢れる田舎の風景、緑に溢れる農園…自然と人間(しかも初老の)が共存する姿はなんだかしっくり来るなぁ。
人間本来の姿と言うか。

物語は画家が主演として構成されてはいるけれど、いや、だからこそ庭師の言葉がまるで主人公であるかのように沁みる。より深みを感じる。人生を感じる。

死んだら根っこになりたい

空は迷うけど土の下は迷わない

生き方、本当の幸せ、人との繋がり、そして穏やかな田舎暮らし…

しみじみ感じる心地よい作品だった。


“〇〇と〇〇と〇〇“がタイトル作品は良作イメージ。他は『潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ』しか浮かばないけど。
ハズレ無しを更新して行きたい!笑
みんと

みんと