佐藤でした

六つの心の佐藤でしたのレビュー・感想・評価

六つの心(2006年製作の映画)
4.0
!!!

久々に一時停止して相関図を書きました。
相関図を書きたくなっちゃう映画、大好きです。
邦題の通り、六つの心。
六人の人間の物語なわけですが、
六つ分でちょうど良い!というサイズ感。

登場人物がこれ以上いてもツラいし、
これより少なくても難易度が下がって解読感がない。

それに最後の六人目の登場のタイミングも乙なものがあり、“円”が出来上がったその瞬間には群像劇フェチとして興奮せざるを得ません。

●彼氏と住む新しい部屋を探しているがなかなか条件に合わず悩む女性
●仕事が見つからずいつものバーで呑んだくれている男
●妹と二人暮らしで、同僚から手渡されたナゾのビデオに困惑する男性
●神仏への信仰心が深く二つの仕事を掛け持ちして働くパワフルな中年女性
●年老いた父親の介護を抱えながらバーテンダーとして働く男性
●出会い系サイトではあるが真剣交際ができる男性との出会いを求めて、とうとう意気投合する相手と出会った若い女性

この6人がおもしろいようにうっすらと絡みます。

そして今作は映像的にも興味深いシーンが多々。
間取り図のような天井のない部屋を俯瞰で撮影して人物を頭上から映したり、話の流れで照明の色がいつの間にか変わるなど、演劇的な印象も受ける。

しんしんと降り続ける綿雪がクッションのようになって、六人分の孤独と孤独の間をやさしく隔てた真冬の群像劇でした。
佐藤でした

佐藤でした