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神々の深き欲望のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

神々の深き欲望(1968年製作の映画)
3.5
今村昌平監督作品。
音楽は黛敏郎 。
今回の観賞は、4Kデジタル復元版。(1968)

現代文明から取り残された南方の島・クラゲ島。島人は、原始的な農耕と土俗信仰に生きている。
主人公の太根吉(ふとりねきち)(三國連太郎)は、島の巫女の家系だが、近親相姦の一家として島民から蔑まれ、嵐と強風のため神田(神さまに供える米を作る田)に打ち上げられた真っ赤な大岩を埋めるよう命ぜられ、足枷をされた状態で20年余りも穴堀りを続けている。
そんな島に、東京から製糖会社の測量技師・刈谷(北村和夫)が、水源調査のためにやってくるが、根吉の息子亀太郎(河原崎長一郎)の妹、知的障害があるトリ子(沖山秀子)とねんごろになり、島の風習に埋没する。
因習としきたりを守り続けてきた島の権力者、製糖工場の工場長でもある竜立元(りゅうりゅうげん)(加藤嘉)は、根吉の妹ウマ(松井康子)を囲い、ノロ(巫女)である彼女を折檻しながら利用している。
やがて、島の観光開発の話が持ち上がり、太家一帯は飛行場の用地にかかる。村長は、一転、近代近代化の旗振り役に豹変する。

西の神島での新生活を夢見ていか根吉だったが…。

~その他の登場人物~
・太家の長、山盛(嵐寛寿郎):自分の娘と近親相姦をして根吉が産まれている。
・竜立元の妻、ウナリ(原泉)
・里徳里(浜村純):竜や根吉の戦友。戦地で負傷して下半身が麻痺。蛇皮線で島の神話を弾き語っている。
・徳里の妻(中村たつ):5年後のクラゲ島でコカコーラを売っている。
・夜這いをする青年たちの一人(長谷川和彦)
・測量技師の会社の会長夫人(細川ちか子)
・測量技師の妻(扇千景):会長夫人の娘。
・前任の測量技師(小松方正):東京に妻子がいるが、島の女性と夫婦になる。

"獣"
"耳かゆ~い"
"仮面"

性の権化、獣のようなトリ子を筆頭に登場人物の個性は強烈。
古い土着信仰は、村の連帯のために利用されるが、共同体に従わないものは排除される。現代日本(人)の根源的なものがここにあるということだろう。
今村昌平監督の力作ではあるが、私の感性(肌感覚)には合わない。
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