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せかいのおきくのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

せかいのおきく(2023年製作の映画)
3.3
江戸時代末期を舞台に、武家育ちだが貧乏長屋で暮らす娘おきくと、社会の最下層で人々の糞尿を売り買いして生きる2人の青年の交流をモノクロ映像で描いた青春時代劇。
監督、脚本は阪本順治。
(2023、1時間30分)

22歳のおきく(黒木華)は武家の出だが、寺子屋で子どもたちに読み書きを教えながら、父(佐藤浩市)と2人で貧乏長屋に暮らしていた。
雨の日、おきくは厠のひさしの下で雨宿りをしていた紙屑拾いの中次(寛一郎)と下肥買いの矢亮(池松壮亮)という二人の青年と出会う。
時代は幕末の激動期。
父を狙った刺客に襲われ、おきくは喉を切られて声を失う…。

「この"せかい"というのは、あっちの方に向かって行けば、必ず、やがてこっちの方から戻ってくる。そういうものです」

子どもの頃に家族が排出した糞尿をバケツに汲んで裏の畑に撒く手伝いをさせられた。衣服を汚さないようにと思っても絶対汚れる。跳ねて顔にも汚れがつく(ちなみに農耕馬もいたが、人糞と違い馬糞は放っておくと乾燥しあまり汚い感じがしない)。
また、厠に落ちて、臭いがなかなか取れなかった経験もある。
厠にはぼうふらが湧き、ハエが大量発生する。
よって、池松壮亮が何のためらいもなく糞尿に触る行為には違和感がある。
糞尿の利用を循環型社会の象徴として使っているが、重労働(重たいので力がいる)で病気(衛生面)などの問題もあるので、単純化し過ぎではないかとも思ってしまう…。
(もちろん循環型社会には賛成)
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