ぶみ

ヒンデンブルグのぶみのレビュー・感想・評価

ヒンデンブルグ(1975年製作の映画)
3.0
ロバート・ワイズ監督、製作、ジョージ・C・スコット主演、マイケル・M・ムーニーが上梓した同名小説を映像化したパニックスペクタクル。
1937年に実際に起きたドイツの飛行船、ヒンデンブルグ号の爆発事故を描く。
事故の原因は様々な説があるものの、本作品では人為的な破壊工作がされたとして扱われているため、爆発に至るまでは誰が犯人なのかを探るサスペンス調で物語は進む。
今から40年以上前の作品であり、最近のめまぐるしく展開するサスペンスに慣れてしまうと、些か冗長だが、この作品の真髄はそこではない。
終盤、史実どおりヒンデンブルグ号が爆発するのだが、カラーから突然モノクロ映像に変わり、実際の事故のシーンと、逃げ回る人々を描く撮影シーンが交錯するため、その臨場感、緊張感は生中継を見ているかのよう。
また、今では見ることのない飛行船の内部構造や、船室、操縦方法等の描写があるため、産業遺産の記録映画としての側面も持つ。
公開当時、もし私がリアルタイム世代であったとしたら、公開が待ち遠しく、封切り日に映画館に走ったであろう一作。

防諜将校、伯爵夫人、整備員、船長、密航者、ゲシュタポ、元スパイ、ペテン師が織りなす雲上の別世界。

“The Hindenburg”
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