このレビューはネタバレを含みます
中途半端にカルチャーに浸ってしまっているせいで、「新海誠=自意識強めの男性の表象」みたいなイメージしか持っておらず、彼の作品をろくに鑑賞しないままに「新海誠〜ハッ(冷笑)」みたいな態度を取ってしまっていました。。あかりちゃんとせいちさんの話を聞いて、観ようと決意しました。てか「君の名は」公開してたとき丁度中3で、男女グループで観に行ってるのとか横目に「受験生やのに何してんねんハッ(冷笑)」的な拗らせ方をしてた記憶と結びついてるんよね…私の中の新海誠像…本当は自分も観たかったくせにね…!
手紙、メールがかなり仕事してる。要するに新海誠って「感情は時空を超えるんだぜ!」ってことを言いたいんだろうなぁと。でもでも、ぎゃーーー、ストーリー全然好きじゃない。イジって良さげな人間が出てこなさすぎるし、花とか鳥とかロケットとかあからさまなモチーフが連発して、なんか雰囲気が全体的に痛々しい。あと私かなり男性脳(特に恋愛面)なので、同族嫌悪というか、「一歩間違えたら私もこれだ…!」の気持ちが常によぎって集中できん。とにかく、この作品を真っ向から「大好き!」って言う人と仲良くなれる気がしない、眩しすぎて。
こうやって拒絶したくなる気持ちの根本には多分自己否定があるんよねー。物事を正面から喜んだり好きになったりしてはいけないと自分で自分に呪いをかけている。そうでもしないと拗らせた自分を認められないから。新海誠見て「おもしろかったね♡」って言う女の子のほうが可愛いに決まってるって分かってるけど、それを認めてしまったら自分の存在価値はゼロなので。自分まで自分のことを嫌いになってしまうので、せめてもの抵抗というか。
夢から覚めるみたいなラスト結構いいなって思った。主人公の顔晴れやかやんー。鬱展開とか感傷マゾとか言われてるらしいけど、個人的にはけっこう明るい決別に思えたし、監督も割と距離感計りつつ描いてるんかなぁって感じがした。指輪、漫画みたいな光り方するの笑ったわ。あからさますぎる。
思い出し色々
①新海誠が好きだった元彼に聞き取り調査するやつ
https://note.com/hummm09/n/n71120bcb127c
三宅香帆がこれを企画化して同人誌にしようとしてたけど、ゴタゴタあってやめたらしい。が!こういう濃厚な人間観察大好きな自分としては、いつかアングラでなんかしらして欲しいなと思う。「新海誠好きな元彼」っていうワードの中に、「そんな彼を好きだった私」っていう視点も組み込まれてるのがニクいなぁと思う。人生とはイタくあるべきよ。
② イメソンやなぁと思ったベボベ
https://youtu.be/fG3OldRy6vo?feature=shared
歌詞とかめっちゃストレートでなんのひねりもないねんけど、その真っ向さが翻ってロックだとおもう。新海誠もそういう系譜で読み解けるのかな〜。
③このツイート見てからあらゆるキラキラ映画を認知の歪みと捉えてる 秒速の男も以下同文
https://x.com/pompom_anesth/status/1877699881315536971?s=46&t=U60nWyikOuw8yHNGTQ6WXA