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巴里のアメリカ人のsensatismのレビュー・感想・評価

巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)
4.5
2020/136
この映画、ずっとたのしくてずっと興奮していられた。だ〜いすき!

カフェの鏡越しにうつるオスカー・レヴァントとジョルジュ・ゲタリ。ジョルジュ・ゲタリが恋する娘について語っていると次第に鏡の国のアリスみたいに世界にとけこんでゆき、噂をしていた娘が箱の世界でキャラクターに応じて舞いを踊る。
この一連の流れわたしのだいすきなやつ…。鏡を演出として巧みにつかってる映像すき…。

「I got rhythm」いいよなあ。
ジョージ・ガーシュウィンの元曲自体も最高なんだけど、思うにジーン・ケリーと子どもの相性って抜群なんだと思う。

クライマックスは約20分間にわたるジョージ・ガーシュウィンの交響曲「An American in Paris」をフルで流しながらその曲の潮流にあわせてバレエのテーマや衣装、舞が繰り広げられる絵画世界も変貌を遂げる。
ラウル・デュフィのコンコルド広場、ルノワールの自然と社交の世界、ユトリロが紡ぐパリの街角、微妙な色のちがいがあるゴッホの黄色…絵画と音楽と舞が融合した贅沢な世界…これが幸せ…
ロートレックをイメージした衣装と振り付けが一番すき、なぜならとてつもなく陽気だからです。

アメリカ人が恋焦がれるパリはそのままわたしが抱く異国への憧れと共鳴して、踊りと歌でより一層ときめきを響かせてくれる。

「パリは人を忘れさせていくわ」
「パリが?あり得ない 忘れるには美しすぎる 人の心にしみ込んで…君と同じだ そうなんだ」
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